日本で連れ添った愛猫を一緒にドイツに連れて行きたいという方も多いと思います。
私が実際に愛猫と一緒に渡独した2017年の経験を元に、その方法についてご紹介します。
ベルリンへ出発前に日本でやること
ワクチン接種
まずは猫のワクチン接種についてです。
・猫3種混合ワクチン(これは日本でも年に1回打っていると思います)
・狂犬病予防接種(ドイツに入国するにはこれが必ず必要です)
「狂犬病予防接種」は日本では必要のないワクチンです。
この注射は2回打つ必要があり、接種にあたりルールがあります。
・ワクチン接種後に血液検査も必要
・証明書を取り寄せなければならない
上記のようなルールがあるため、思っている以上に手間がかかります。
ワクチン関連は渡独の1年前、遅くとも半年前には準備を始めることを勧めます。
マイクロチップ
出国、入国時に空港でチップの読み取り作業があります。これが入っていないと入国できません。
ヨーロッパの規格に対応したものを選びます。狂犬病予防接種より前か、遅くとも同日に装着します。
ワクチン接種、マイクロチップの装着、それらのスケジュールや証明書の取り寄せは、かかりつけの動物病院が全てやってくれるので相談しながら進めましょう。
検疫関連
ワクチン接種、マイクロチップ装着が終わったら、出国する空港の検疫所を予約します。
空港内の検疫所に猫と行き、出発前の検査(書類検査+猫の確認、検査)を行い、証明書を発行してもらいます。
検疫所に電話やメールで問い合わせると、とても丁寧に教えてくださいます。私も何度も何度もやりとりさせて頂き、書類の書き方が合っているかなどもちゃんと見てくれました。
分からないことがあれば問い合わせながら進めてみてください。
動物検疫所
航空券、現地ホテルの手配
航空会社をどこにするか、これはかなり重要です。
日本からベルリンまでの直通便はなく、猫は約14時間ケージから出られません。いわゆる「貨物扱い」だと、とても心配です。
ケージ含めたサイズ、重量によってペットを客室持ち込み可能です。
私はペットに関して評判の良い”スイスインターナショナルエアラインズ”を選びました。この選択は大正解でした。
私の隣の席を空席にキープしてくれて、アテンドの方は常に私たちを気にして声をかけてくれました。
航空会社によってペット同行のルールが異なるので、選択の余地があるならルートや使用航空会社を何通りか考えてみてください。
スイスインターナショナルエアラインズ
あとは現地に到着してから、荷物も多かったのでとりあえず空港近くのホテルに猫と1泊しました。
Booking.com などでペット可のホテルを探し予約します。ベルリンはペット可かなり多いです。
ベルリンに着いてからやること
乗り継ぎ、入国審査
私たちの便は、”東京→チューリッヒで乗り継ぎ→ベルリン”というルートでした。
乗り継ぎの際に、猫をケージから出し抱っこして一緒にセキュリティーゲートを通ります。ケージは別で荷物と一緒にセキュリティーチェックされます。
なので、ハーネスや紐を必ず付けてください。この時に脱走して空港内を探し回ったという話もよく聞きます。
ベルリン入国時は、全くと言って良いほどなんのチェックもありませんでした!
何も言われないので、自分から「猫もいます」と言って見せたら「オッケーあら可愛いわね」と言われただけでした。
乗り継ぎを無事通過すれば、あとはそんなに大変ではありません。ベルリンの空港に一緒に降り立った時の喜びはひとしおです!
動物病院にて健康チェック&EUパスポート
無事自宅に着いて猫も落ち着いたら、さっそく最寄りの動物病院を予約して診てもらいましょう。
・体重や健康チェック(長旅で疲れとストレスにより病気になる子もいますので、ちゃんと診てもらいます)
・虫駆除剤の注射
・EUパスポートを作成してもらう
EUパスポートについて
猫のEUパスポートは無料で作ってくれます。
動物病院で、ワクチンやマイクロチップNo.など全ての情報を記入してもらいEUパスポートの発行完了です。
猫のEUパスポートは、今後病院が変更になってもEU圏内ならどこでも使えます。
ということはつまり、愛猫は私たち人間と違ってビザ無しでEU内ならどこでも移動&住むことができます!うらやましい!
私は、一度このパスポートを紛失してしまったことがあるのですが、他の病院でもすぐ作成してその場で発行してもらうことができました。
TASSOへの登録
TASSOは40年の歴史のあるヨーロッパ最大のペットのための福祉団体です。
ここにマイクロチップNo.と住所、名前、電話番号などをオンラインで登録します。
ドイツでは動物が逃げてしまった時に、高確率で保護されティアハイムなどの保護施設へ運ばれます。その際にTASSOに登録しておけば、飼い主さんの元に帰ってくる手助けになります。
登録の仕方は、動物病院で教えてもらえます。
登録すると、メールで登録完了のお知らせと、郵送でチップが送られてきます。首輪をしている場合、首輪にチップを装着しておくと良いと思います。
愛猫と一緒の渡独は、用意することもたくさんあり、不安や心配でフライト中はずっと緊張していました。
しかし、病院の先生、検疫所のみなさん、空港でも飛行機の中でも色んな人が気にかけてくれて助けてくれました。
何よりも今も愛する猫と一緒にベルリンで暮らしていられることが、大変な海外生活の支えになっています。
私は今こちらでもう1匹猫をもらって今は猫2匹とパートナー1人と楽しく暮らしています。
大事なペットと一緒に大好きなベルリンで暮らすためには、ひとつひとつの手続きを丁寧にこなしていけば必ず実現します!
素敵なベルリンペットライフを!
Mili
2匹の猫とベルリンで暮らし。たまに舞台作品を作ってます。