7月の半ばからベルリンの学校も夏休みに入り、子どもも大人もホリデームード。旅行シーズンの夏には、キャリーケースを片手に街を歩く人々をよく見かけます。ベルリンから海外旅行に出かける人もいれば、海外からベルリンを訪れる観光客も多くベルリン観光で鉄板のシュプレー川のクルーズ船もこの時期はよく満席になっています。
ドイツはヨーロッパの中心に位置しているため、近隣国へのアクセスが良いのはもちろん、旅行代を節約したければ電車やバスのみを利用してフランス、イタリアをはじめとする多くの国へ旅行することが可能です。とはいえ、海外旅行は準備とまとまった時間も必要ですよね。
ということで今回は、ベルリンから1時間でサクッと行けちゃう魅力ある観光地ヴェアダー(ハーフェル)を、ヴェアダーで有名なブドウ農家のワインの収穫祭のレポートも込みでお伝えしていきます!
Werder(Havel)|ヴェアダー(ハーフェル)とは?
ヴェアダー(ハーフェル)は、ブランデンブルグ州に位置する自然に囲まれた小さな港町です。ドイツにはハンブルグやロストックといった栄えている港町がいくつかありますが、中でもヴェアダーはベルリンから1番距離が近く、アクセスが良い港町といえるでしょう。電車で1時間、車で30分~1時間ほどで行けちゃいます。
ヴェアダーは港町といっても、海辺の活気ある港町とは違い、時間がゆっくり過ぎるのんびりした港町という印象です。
2つの大きな湖の間にあるヴェアダーは、新鮮な魚介類が食べられることでも有名です。ベルリンには港町はないので、新鮮なお魚を頂けるのは嬉しいポイントです。
またヴェアダーはブドウ農園でも有名で、そこで開催されるワインの収穫祭では農園のブドウを使ったワインのテイスティングをすることができます。広大なブドウ農園を眺めながら飲むワインは格別です。
ちなみに今回はワインの収穫祭がメインだったので私は行きませんでしたが、写真のバックにある風車小屋ボックヴィントミューレ・ヴェルダーは、戦後に修復を重ね生き残った奇跡の風車らしく、観光スポットとしても地味に人気があるそうなのでこちらも興味がある方は是非訪れてみて下さいね。
地中海の雰囲気が漂うWerder(Havel)の港町を散策
ヴェアダー駅からバスに乗り、港町に繋がる小さな橋を渡るとまず出迎えてくれるのが美しい湖。ヴェアダーはグローサー・プレゾワー・ゼーとクライナー・プレゾワー・ゼーと呼ばれる2つの湖の中間にあり、特にグローサー・プレゾワー・ゼーの水はとても澄んでいて手ですくってみると掌が綺麗に透けて見えるほどの透明度です。
遊泳客が沢山いるというよりはパドリングやウィンドサーフィンをしている人がチラホラいるといった感じでしたが、クリスタルクリアな水を満喫してみたい!という方は水着を持参してひと泳ぎしてみるととっても気持ち良いと思います。
道沿いを歩いていると、湖をバックに生い茂る木々や植物の美しい景観に出会えます。
ヴェアダーは湖に囲まれた街なので潮の香りすらしないものの、青い空に白い雲、そして一碧万頃の眺めはまるで地中海を思わせるような美しさです。私も散歩をしながら昔訪れたフランスのビーチを思い出しました。
また、緑豊かな浜辺から伸びる小さな水上デッキからは、自然に囲まれた辺り一面に広がる湖を一望することができるので散策中にデッキを見つけた際は是非先端のほうまで歩いて行ってみてください。
そしてこの無数の貝殻が敷き詰められたムッシェルバンク(貝殻のベンチ)は、個人的にヴェアダーの隠れ名物なのではないかと思っている傑作です。
作者は分からず終いだったのですが、少なくとも7年前から存在する鑑賞用ベンチ。よく見てみると貝殻だけで作られた鳥のモチーフなど面白いアートを見つけることができます。
もし散策中にこのベンチを見つけたときは、是非貝殻アートにも目を凝らしてみてください。でも間違っても座らないように。お尻フレンドリーなベンチではなさそうです。
Werder(Havel)は新鮮な魚や果物の産地!
ヴェアダーを訪れてほしいもう一つの理由として、とにかく新鮮な食べ物が手に入るという点があります。新鮮な魚介類はもちろん、ヴェアダーはフレッシュな果物の産地としても有名で特にサクランボやリンゴ、ブドウなどの果物の栽培が盛んです。果物はそれぞれ果樹園や道端の果物屋さんで購入することができます。
また今回お目当てだったレストランへ向かう途中、「蜂の巣から採れたてのハチミツあります」と書かれた張り紙もあったので、新鮮なハチミツも手に入るみたいです。お店の裏庭に大きな蜂の巣がいくつか重ねられた養蜂場が見えたので、採れたてほやほやのハチミツが味わえること間違いなしです。
そしてこちらが今回お目当てのフィッシュレストラン アリエル。新鮮なお魚を使った料理と飲み物が頂けます。お店の看板の下に並ぶ魚の頭は全て本物だそうです。この装飾の思い切りぶりが港町っぽいですね。
お店には様々な種類の魚が並んでいました。レストランは半セルフサービス式になっていて、レジで好きな料理を注文したらトレーやカラトリーは自分で用意します。
今回はお店の方おすすめのバックフィッシュを注文してみました!バックフィッシュはドイツの伝統料理で、今まで食べたバックフィッシュの中でこれが一番美味しかったです。冗談抜きで。
お店は室内とテラス席が選べるようになっています。今回は天気が良かったのでテラス席を選びました。テラスは湖の上に設置されていて、水面を行き交う船や綺麗な景色を眺めながら食事ができるのでおすすめです。
ヴェアダーを訪れた際は是非足を運んでみて下さい。
Werder(Havel)の名物はワイン!広大なブドウ農園でワインの収穫祭に行ってみよう
食事を終えてワインの収穫祭へ向かいます。今回訪れたブドウ農園はワインバウ・ドクターリンディッケ。今日の収穫祭のポスターが大きく張り出してあります。
ブドウの木々に囲まれたお洒落なお店の中に入り、カウンターで試してみたいワインを注文します。1杯大体3〜3.5ユーロで、まだここでしか飲めないできたてのワインが味わえます。そしてこのワインがかなり美味しい…!
ワインといえばフランスやイタリアが有名かもしれませんが、結局どこの国も国産のワインがフレッシュで一番美味しいんだよね!とドイツ在住歴10年以上の友人が言っていたのを思い出しました。その通りかもしれない…。
とはいえドイツもリースリングなど人気のワインの産地ではあるので、ドイツワインも侮れません。ちなみに、気に入ったワインがあればもちろんボトルを購入することもできます。
広大な農園をテラスから眺めながらワインを飲むのもあり、そして農園の見学をしながら飲むのもあり。農園に何千と軒並みになっているブドウの木々には、また来年美味しいワインになるであろう小さなブドウの実が沢山なっていました。来年の収穫祭も期待大です。
収穫祭にも沢山の人が集まっていました。農園の中にテーブルやベンチが用意され、グリルで焼かれたソーセージやホットドッグなどをワインと一緒に楽しむ人々でほぼ満席状態。賑やかな雰囲気とジャズバンドの演奏も相まって大盛況でした。
ちなみに今回の収穫祭は入場無料のオープンイベントでしたが、中には予約制のテイスティングイベントもあるようです。ブドウ農園もいくつかあるので、気になるところをピックアップして是非皆さんもヴェアダーでワインの収穫祭に参加してみて下さい。
アクセス
Werder(Havel)駅
住所: Eisenbahnstraße 107
14542 Werder(Havel) Brandenburg, Germany
アクセス: Tram M10 Wolliner Str. 駅から徒歩2分
ベルリン中央駅からRE Brandenburg, Hauptbahnhof行に乗りWerder(Havel)駅で下車